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2006/04/11

同じ目的を持った人びと

電車のホームに並んでいる人びと(ここには自分も含まれるのだが)をみていると、ときどき不思議な気分になってくる。

みんな同じ方向を向いて、あたかもみんな何かを合意したかのように並んでいるのである。

ふつう同じ方向を向いていて、同じ目的を持っている場合には、それで立派な組織が形成されていることを意味する場合が多い。

組織のことを論じている書物では、同じ目的を持っていることが「組織」の条件となっている。

ところが、ホームで同じ方向を向いて並んでいる人びとも、電車に乗るという同じ目的を持っているのだが、これらの人びとは決して組織とはいわない。電車に勇んで乗ってくる単なる群衆に過ぎない。

にもかかわらず、なぜかこのホームで電車を待つ人びとは現代の何かに似ているのである。

これらの人びとを組織とは呼ばないにもかかわらず、じつは現代の組織にそっくりなのである。同じ目的を持っているにもかかわらず、電車に乗ってしまえば、みんなバラバラのことを考えている。まさに、現代の組織に似ているのではなかろうか。

すこしニヒルな観察だったかな。

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プロフィール

  • 坂井素思
    放送大学教員で、社会経済学領域を研究しています。